2009年9月2日水曜日

ルイ=フェルディナン・セリーヌ 『夜の果てへの旅 上・下』

全世界の欺瞞を呪詛し、その糾弾に生涯を賭け、ついに絶望的な闘いに傷つき倒れた“呪われた作家”セリーヌの自伝的小説。上巻は、第一次世界大戦に志願入隊し、武勲をたてるも、重傷を負い、強い反戦思想をうえつけられ、各地を遍歴してゆく様を描く。一部改訳の決定版。
遍歴を重ねた主人公バルダミュは、パリの場末に住み着き医者となるが―人生嫌悪の果てしない旅を続ける主人公の痛ましい人間性を、陰惨なまでのレアリスムと破格な文体で描いて「かつて人間の口から放たれた最も激烈な、最も忍び難い叫び」と評される現代文学の傑作巨篇。

バタバタしているうちに放置気味でした。
あまり読書に時間が割けないようになり、なかなか進みません。そんななかでようやく『夜の果てへの旅』を読了。朝の通勤ラッシュの中で読むセリーヌはなんともいえないですね。僕の後ろに立っていた人は、「朝っぱらからなんて本読んでるんだ」、って思ったことでしょう。

なんて凄まじい呪詛だろう、資本家への、国家への、家族への、戦争への、人々への、自己への。人間の禍禍しい生き様を、全ての上っ面を剥ぎ取ったその中にある醜さを(あるいはその空虚を)、バルダミュ=セリーヌは暴き続ける。時に辟易し、読み飛ばしたいと思いながらも、結局読み進めてしまいました。モリーとの別れのシーンは非常に心に残った。そこには何かきらきらしたものがあるような気がして、他が仄暗さに包まれている分、一層。そう感じてしまうのは僕の「若さ」なのだろうか。バルダミュが「世界が閉じられてしまった」と感じた時、そして「自分の番が終わった」と感じた時の心情を、僕は理解することはできなかったように思う。「なしくずしの死」へと向っていることを認識すること、それは僕には難しい。まだこの小説を読むには早かったのだろうか?

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