2009年9月22日火曜日

森見登見彦 『夜は短し歩けよ乙女』

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気付か ない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねぇ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本 周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!

さて。今日二冊めですが。
これだけ読みながら吹き出したり、ニヤニヤしながら読んだのは久しぶりです。「あー、わかるわかる…」って共感してしまうあたり、ダメ人間ですが。古本市のくだりは諸手を挙げて同意せざるを得ないし(図書館や古本市が好きなダメ院生なら誰だって妄想したことある…よねぇ?)、学園祭のところでは涙を禁じえない(まぁ大学の学園祭には結局足を踏み入れなかったけれども)。古本屋の神様は個人的には信仰してるし、だってじゃないと偶々足を踏み入れた古本屋で欲しかった本が偶然に見つかるなんてこと、普通ないでしょう。神保町の古本検索で見つからなかった本が、すぐに最初に足を踏み入れたお店で見つかる、なかなかないよね、こんなこと。
じゃなくて、『夜は短し歩けよ乙女』の話。このストーリーも舞台も文体も、全てがぶつかっていない。よく似合っている。繰り返しになるけれども、この主人公のダメっぷり(ってか学園祭でこれだけ突っ走れるんならもっと早くなんとかできるだろうに)には共感してしまうし、風邪を引いた時に「咳をしてもひとり」を思い出してしまう気持ちもよく分かる。この黒髪の乙女も乙女でかなり変わった性格(というか思考回路)だし、こうゆう女の子に恋に落ちてしまうダメおとこって、うーんわかるなぁ、と。
まぁちょっとこの小説はあまりにも共鳴するところが多かったので、僕は大好きです。っていうか客観的な評価なんかとてもできません。僕の周りには好きそうな人多いかもしれませんが。

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