2009年9月27日日曜日

イワン・トゥルゲーネフ 『初恋』

16歳の少年ウラジーミルは、年上の公爵令嬢ジナイーダに、一目で魅せられる。初めての恋にとまどいながらも、思いは燃え上がる。しかしある日、彼女が恋 に落ちたことを知る。だが、いったい誰に?初恋の甘く切ないときめきが、主人公の回想で綴られる。作者自身がもっとも愛した傑作。

今更ですが。さくっと読んでしまったので、何を書くべきか困ります。冒頭、3人の男が館の中で初恋の経験について話し合う。主人は誰なの?とかなんでこんな構成にしたの?とか不思議ですが。まぁ初恋=回想、告白っていうのは今も同じですけど、大の大人が3人集まって初恋体験について話し合うってのも変な感じ。まぁそれも今も同じなのかもしれませんが。
しかし、まぁ甘酸っぱい話を期待しちゃうとびっくりするよ、というのは昔から聞いてた話なのでこんな話だったのか、と思いながら読んでいました。全然関係ないけれども、この小説の舞台である別荘がある土地が、チェーホフの『中二階のある家』という短編に出てくる田舎となんだか似てるようなイメージを抱いてしまったので重ね合わせながら読んでいました。
社会的背景と全く無縁にも思えるこの初恋の体験談のなかにも、色々織り込まれているような気がして、それはそれで興味深かったですが。この父子関係やら、ジナイーダのことやら、没落した公爵のことやら、フランス語やら。でもそんなことを考えてもなぁ…。まぁ、初恋って叶わないもんだよねー、くらいの感想しかもてなかった自分にもがっかりですが。正直そこまでの名作とも思えなかったんだけど、感性の乏しさゆえですかね。

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