多国籍な街、新宿・大久保の片隅、夜雨に穿たれた男の内部の穴に顕現する茸と花のイメージ。少女の肉体の襞をめくり上げ見える世界の裏側。腐敗してゆく現代の生と性の感覚を鋭く描く「知」と「抒情」の競演。
うーんなんとも…。じめじめぬらぬらした世界です。嫌いじゃないけど、なんともどんよりしますね。松浦さんの仕事はこれまで読んできていないので(それこそ古井さんとの『色と空のあわいで』くらいしか)、変なこと言えませんが。評論のなかで彼がやってきたこと、それとこの小説とはぴったりとくっついているのでしょうか。僕は年を取れば取るほど、「官能」から自由になれるものかと思っていたけど、そんなことはないみたいですね。むしろ年月を経るほどそれは身体のなかに、それこそ澱のように沈滞していくみたいで。うーむと。都市と人生と性。この重なりは面白いですね。襞のような路地に誘われていく男、「フリダシモドル」と「とまれみろ」…なんともじっとりした官能の世界が広がっています。僕はおなかいっぱいですが。
…全く整理が付いていないのが見え見えですが。それだけ混乱させられた、というのが正直なところです。申し訳ありません。
0 件のコメント:
コメントを投稿