2009年12月7日月曜日

岡田英弘 『歴史とはなにか』

 歴史は科学ではなく物語である。インド文明は「歴史のない文明」だ。「中世」なんて時代区分は不要。資本主義経済はモンゴル帝国が世界に広めた。フランス語は人工的に創り出された言葉。十九世紀末まで「中国人」はいなかった。文献通りなら邪馬台国はグアム島あたり。神武から応神までの天皇は実在しない。『古事記』は最古の歴史書ではない……など、一見突飛なようでいて実は本質をついた歴史の捉え方。歴史学者としての年来の主張を集大成した、まことにエキサイティングな論考です。

んなこたーない。
いま、「歴史」にまつわる新書の企画を立てていて、関連書籍をとりあえず斜め読み。だめだね、これ。Amazon高評価=面白いってわけではない何よりの証拠(あるいは僕の感覚がずれているという証拠か)。歴史は物語って、そんな簡単に言えちゃうもんですか。もう少し考えてみたいなぁ。とにかく「アイデンティティ」やら「文明」やら文脈依存的な言葉を説明もせず使いすぎですって。あなたのいう「アイデンティティ」って何よ?とか「マルクス主義歴史学」の弊害ってそういうことなの?それって寧ろ近代主義批判でなくて?とかつっこみたくなります。亀井勝一郎のほうが数段まともな批判をしていたのではないかと。「インド文明は歴史のない文明である」って、そりゃ「インド」なる概念が構築されたのがイギリスの植民地主義の下でのことなんだから、そんな大仰に言わなくても…。
うーん、どう考えても岩波新書の『歴史とは何か』の方がいいよねぇ。明らかにタイトル被せているのに全く言及がないってのも不思議な話ですが。あぁカーのやつも読み返さねば。

とはいえ、とはいえです。ちゃんと読んでみたら面白いのかもしれません、一応。

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