2009年11月14日土曜日

コーマック・マッカーシー 『すべての美しい馬』

1949年。祖父が死に、愛する牧場が人手に渡ることを知った16歳のジョン・グレイディ・コールは、自分の人生を選びとるために親友ロリンズと愛馬とともにメキシコへ越境した。この荒々しい土地でなら、牧場で馬とともに生きていくことができると考えたのだ。途中で年下の少年を一人、道連れに加え、三人は予想だにしない運命の渦中へと踏みこんでいく。至高の恋と苛烈な暴力を鮮烈に描き出す永遠のアメリカ青春小説の傑作。

『越境』の流れで読んでしまいました。またも一気読み。『血と暴力の国』を読んだときは、いいなぁと思いつつもそこまではまらなかったので、コーマック・マッカーシーにどっぷりしたのは今月が初めて。来月は『ブラッド・メリディアン』の邦訳も出るらしく、年内はどっぷりし続けでしょうか。<国境三部作>のうち、『平原の町』は未読ですが、例によって版元品切れ。古本屋を漁るか、洋書を買うかですが、どちらも安くはないですね。文庫化して欲しい。こないだThe Roadを安く買えたので、とりあえずそっちで紛らわそうかと。

『越境』とどっちが好きかとなると、僕は『越境』の方を推しますが、どちらもすばらしい作品であることは間違いないと思います。自然や動物(特にこの小説では馬)の描写が卓抜。マッカーシーにとってこうした自然や動物は、単なる書き割りでも舞台でも小道具でもない。
いいなぁ。

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